kongaragaruのブログ

こんがらがると10回言ってみてください。こんがらがります。

勝手にふるえてろ/大九明子

キモいキモいキモいキモいキモいキモいキモいキモい

 

これ全部コピペせずに打った。そのくらいキモい。

観終えた時は800m全力疾走した後のように息切れしていた。観ていられなくて何度も止めて、3週間以上かけてちょっとずつ観た。とにかく渡辺大知がキモい。外見も言動も全てがキモい。上目遣いすな、口を尖らせるな、パーソナルゾーンに入ってくんな!!!!!そして極めつけにはエンディング曲の作詞作曲歌唱。さいっっっあく。この映画全体で渡辺大知のキモさを完成させているといっても過言ではない。

 

もう本当に最初から最後までずーっとキモい映画だった。二もキモいしヨシカもキモい。オカリナもキモいし登場人物みんなキモい。共感性羞恥が大爆発。これを映画館という逃げられない空間で観た人は無事生還できたのだろうか。これを描く綿矢りさ大九明子も天才だ。心の奥底に隠している「恥」の部分を外科医にほっそいピンセットでツンツンされて摘み出されたような恥ずかしさ。同族嫌悪がキモさに繋がる。私だったら他人には触れさせないし、自分でも取り出そうとはしない、取り出すこともできない奥底の部分を、創作のために引っ張り出してかたちにしてしまうの、すごいなって思った。馬鹿みたいな感想だけど。

映画を観ながらずっと二にキモいキモい言ってたんだけど、二は事あるごとにヨシカに触れるのね。そしたらヨシカは二に触れられた場所を咄嗟に触るの、反射的に。その演技がま~上手いのよ松岡茉優さんは。喋らないのに、顔の表情アップでもないのに、二のこと「なんだコイツキモいな」って思ってるのが伝わるの。けど、人生初の告白をされたことが嬉しくて、思いを寄せられるとなんだか相手も良く見えてきちゃって、好き好きアピールしてくる相手をちょっと下に見つつもまぁ悪い気はしない、みたいな。相手には「…はぁ。」みたいな反応しておきながら友達には「困っちゃうよねー笑」って口では言って内心モテてる私ふふん。ってね。自分はいつまでも子どもの恋愛引き摺ってて。あぁイタいイタい。なんだこれ身に覚えがありすぎるな??いやここまでではないにせよ(またこうやって保険をかける)、モテないのを「ずっと好きな人がいるから」に置き換えて、あの時モテ期だったなって記憶をこすって(この言い方最近覚えた、現実ではキモいから使いたくない)、人一倍見下されることに敏感で。外見とかスキルとか肩書とか性格とか、あらゆる点で他者に劣等感を抱いていて、でもこれが本当の自分だからありのままを愛してほしくて、あわよくばそれが自分の最愛の相手であってほしくて、その肥大化した劣等感を隠そうとよりプライドが高くなっていく。恥をかいたら全員から後ろ指を指されているようで消えてしまいたくて居場所をぱーっと消したくなって。矢継ぎ早に痛い所をピンポイントで突いてくるので鑑賞後は呼吸が浅くなってます確実に。これ上映中に過呼吸で倒れた人とかいなかった大丈夫??積極的に他人と関わろうともせずありのままを愛してほしいなんて虫のいいことを言って暮らしてきたからいざという時(イチに意識されたいはずの居酒屋とかタワマンのご飯シーン)に対人スキルの無さがびんびんに出ていていたたまれなくなるけど、あの時(ベランダのシーンね)死にたくなって無言で立ち去らなければ、「続き」があったかもしれないのに。クルミの留守電聞いた時みたいな瞬間って人生の中にたくさんあるわけよ。思ったより人はいい人なの(そうでもないことも周りを見てるとあるみたいだけど)。ひとつの言葉にプライドが傷つけられてカッとなっても、改めて見返してみるとそうでもないな、相手はそこまで考えて言ったんじゃないかもな、まぁそこまでの意図があったとしても、仲を断絶したいと思う程ではないなってこととか、たぁくさんあるわけよ。これからも交友を続けていきたい人なら、きちんと何が嫌だったか説明して、対話して、わかり合っていく工夫が必要なわけよ。二の言動は一から十まで全部キモいけど、最後のシーンで言ってることはまともなんだよね。ある程度普通の対人関係を築いてきた人間の諦めの言葉。異常でも偉人でもないけど、ってそういうことで、でもそれでも偉人を目指して足掻き続けた人間が成功するのかもしれないけど。向けられる好意に絆されて二で妥協する必要なんて、必ずしもないのよ。それは好きに生きていい。もう一度イチを追って行ってもいいし。ただ、過去に二みたいな正直ちょっとキモいけど男友達は多くて自分に一途な男と付き合った私からすると、一度でも生理的に無理、と思ってしまった男と添い遂げることは無理です。みんな、自分の恋愛感情大事にしようね。好きな人を追ってこうね。高望みしていこうね。キモい男に天罰あれ。

 

あと北村匠海ってDISH//だったんだねぇ。初めて知った。息も絶え絶えになりながら観ている間、「勝手にふるえてろ キモい」とかで感想検索したんだけど、イチも嫌な奴だって意見があって。いつ嫌なとこが出てくるんだろ~~と観ていたけど最後まで出てこなかった。ベランダのシーンもヨシカの空想じゃないかとハラハラしていたんだけどどうやら本当のようで安心した。イチ狙いの女の子と一発ヤってくるぐらいしてたらまぁその感想にも納得したけど、ベタベタ攻撃にも冷たい態度のままだったし、ベッドまで運んだだけだし(キスくらいはしたかもだけど)。うーん、私が割と北村匠海好きだから贔屓してしまってる?思わせぶりな態度(ってほどでもないけど)をとるのに「友達」になりたかったとか名前を覚えてないとか、っていうのはそこまでじゃないよなぁと思う。たぶんイチはヨシカに言っていたことが全てで、本当に中学の体育祭の時は自分を見てって思ってたし、今はそれが「不思議だよなぁ」で済んでるし、今話してみてヨシカのことけっこう面白いなって思ってるし、名前は本当に覚えてない。いるじゃんパーティーとかでほぼ初対面で話が盛り上がるけど名前わからないし次も自分から誘うほどじゃないなって人。でも向こうから誘われたらたぶん断らないのよ。だけどヨシカの対人経験の乏しさと肥大化したイチの理想像が、関係を一歩踏み出すことをpreventしちゃったのね。

あぁイチの上品な服装とかイチ狙いの女の子の絶妙にダサい服装とか、めっちゃ良かったなぁ。タワマン一人暮らしにどんだけ椅子あんねん!と思ったけど笑 でも一式親が用意したんだろうなと感じられる大きな家具と、女の子を落とす為だけのかっこつけた細かな家具の配置も納得できるものだった。結局ヨシカは一度も窓際の椅子を使わなかったような気がするのはちょっと?だったけど…。

ヨシカのさ、日常のちょっと気になる変わった人に話しかけたくなる気持ちとか、話しかけたらどんな風になるかなって妄想しちゃう感じ、わかるわぁ。変わった人と友人な私、素敵だもんねぇ。仕事場に話せる人がいなくても、家の周りにはこんなに素敵な話せる友人がいっぱいいるのよ。わかるよ~わかるよ~家に引きこもってる時のヨシカにfeel specialとSexy Zoneのぎゅっとを聞かせてあげたかった。こんなこと書いてる私が一番ヨシカと二を見下しているのかもしれない。

 

冒頭で渡辺大知のことをキモいと書いたけど、この映画においてはキモければキモいほど正しいからそれでいい。キモい演技が素晴らしかった。ただ調べたらまともっぽい役や俳優として写っている写真でもキモかったからきっと私はこの人のことが苦手だ。黒猫チェルシー懐かしいな。

こういう「パッとしない」役って難しいよね。ある程度人気のある俳優さんってそこそこ見た目が整っているし、よりリアリティを持たせようと配役すると(今回みたいに)まじでキモくて観てられない、って事態になり得る。だから佐藤勝利くんとか吉沢亮さんって貴重だなぁとしみじみ実感した。顔の造形自体は綺麗なんだけど「パッとしない」役ができるのって本当にすごい。橋本環奈ちゃんとか見てると顔の良い人間が普通の役やるの不可能だと思うもん。(詳しくは「午前0時、キスしに来てよ」をご覧ください。私は予告しか観てませんが。)この前改めてブラック校則良かったよなぁって思い返していて。中弥の「愛はまず与えなければ」みたいな発言をあれから折に触れて思い出す。死ぬほど考察したから印象に残ってるっていうのもあるけど、記憶に残る言葉があるってすごいこと。2人の演技も良くて、ジャニーズ映画じゃなくても観るべき映画だったな。前述したけど考察の余地があることでより印象に残るっていうのも上手いよね。あぁ話がずれてしまったけど、ブラ校の最後の校庭のシーンの勝利くんなんて、あれ顔が良くなきゃ観てらんないよ。町田希央の家の前で「そら」って言われて喜んでるシーンなんかも、共感性羞恥が爆発しそうだもん。それを観てられるものにするのは単純な顔面の良さなんだよな。でもただ顔が良いだけじゃもちろん0キスのハシカンのように「どこが普通の女子高生!?」になってしまうし、ちゃんと「パッとしない、というかぶっちゃけちょっとキモくね?」って奴になっているのが重要。この映画(最初はドラマか)を観ようと思ったきっかけが、Twitter吉沢亮佐藤勝利について、最高に整った顔面をお持ちなのにオーラを消した「普通」の演技が上手いのは、これまでの人生が「普通」の演技をすることだったからでは?というツイートを見かけたからなんだよね。最初はそのツイートに引っ張られているのかとも思ったけど、1年近く経ってやっぱり勝利くんは「パッとしない」演技が上手だなぁと思っている。役としてはちゃんとキモいけど絵面は汚さないって、すっごい稀有な俳優ではないでしょうか。もっと映画出てほしいなぁ。世の監督さま方、お願いします。

 

映画と全然関係ない話で終わらせちゃった。